【プロ監修】大胸筋の鍛え方|胸を効果的に鍛えるトレーニングのメリットや効果をプロが徹底解説

「大胸筋」とは?構造と役割を知ろう
まずは敵を知ることから始めましょう。「大胸筋」の構造を理解することで、トレーニングの質が格段に上がります。
「大胸筋」の基礎知識
「大胸筋」は、胸部全体を覆っている扇状の大きな筋肉です。鎖骨の内側、胸骨、肋骨(第1~6肋骨前面)から始まり、上腕骨(二の腕の骨)の大結節稜という部分に繋がっています。
主な働き
- 屈曲: 腕を前に上げる動作
- 水平屈曲: 開いた腕を胸の前で閉じる動作
- 内転: 腕を体側に引き寄せる動作
- 内旋: 腕を内側にひねる動作
日常生活では重いものを抱える動作、スポーツでは野球の投球、テニスのサーブなどで強く働きます。
部位ごとの鍛え分けが重要
「大胸筋」は大きな筋肉であるため、「上部」「中部」「下部」や「内側」「外側」といった部位ごとに意識を向けることが、バランスの良い胸を作る鍵となります。
- 「大胸筋」の内側: 腕を体の前でしっかり閉じる動作(水平屈曲)で強く刺激されます。谷間を作りたい場合に重要です。
- 「大胸筋」の外側: 腕を大きく開いた状態から、動作を開始する初動で強く働きます。胸の広がりを作りたい場合に重要です。
「大胸筋」を鍛えるメリット
「大胸筋」を鍛えることで得られる効果は、見た目の変化だけではありません。男女別に主なメリットをご紹介します。
男性:男らしく分厚い胸板が手に入る
多くの男性が憧れる「厚い胸板」は、「大胸筋」を肥大させることで実現可能です。
胸板が厚くなると、Tシャツ一枚でも様になりますし、ビジネススーツを格好良く着こなせるようになります。10回前後が限界となる負荷設定でトレーニングを行うことで、筋肥大の効果が期待できます。
女性:バストアップとデコルテラインの改善
女性の場合、「大胸筋」はバストの土台となる筋肉です。ここを鍛えることでバスト全体が持ち上がり、バストアップ効果が期待できます。また、鎖骨周り(デコルテ)のハリが出るため、胸元が開いた服を美しく着こなせるようになるでしょう。
「ムキムキになりたくない」という方も、低負荷・高回数で行うことで、引き締まった美しいラインを作ることが可能です。
基礎代謝が上がり痩せやすい体に
「大胸筋」は体の中でも大きな筋肉の一つです。ここを鍛えることで全身の筋肉量が増え、基礎代謝の向上が期待できます。基礎代謝が上がれば、何もしていない時でも消費されるカロリーが増えるため、結果として太りにくく痩せやすい体質への変化が期待できます。
プロが教える!「大胸筋」筋トレの効果を高める4つのポイント
ただ回数をこなすだけでは効果は半減してしまいます。以下の4つのポイントを意識してください。
1. 「開いて閉じる」動作を意識する
プッシュアップ(腕立て伏せ)などを行う際、単に「体を上下させる」と考えるのはNGです。
「大胸筋」の主な働きは腕を閉じる動作です。「床を押すときに、肘同士を近づけるイメージ」を持つことで、より強く「大胸筋」を収縮させることができます。
2. 肩甲骨を寄せて胸を張る(重要)
「大胸筋」に効かず、肩や腕ばかり疲れてしまう最大の原因は、肩が前に出てしまっていることです。
動作中は常に肩甲骨を軽く内側に寄せ、胸を張った状態(アーチを作る)をキープしましょう。これにより、「三角筋」前部への負荷が抜け、「大胸筋」にダイレクトに刺激が入るようになります。
3. 可動域(ストレッチと収縮)を最大化する
筋肉が最も成長するのは、負荷がかかった状態でしっかり伸ばされた(ストレッチ)時と、縮まりきった(収縮)時です。
- 下ろす時: 胸がしっかり開くまで深く下ろす(ストレッチ)
- 上げる時: 胸の筋肉で腕を挟み込むように最後まで押し切る(収縮)
中途半端な可動域で行うと、効果が減衰してしまう可能性があります。
4. 正しい呼吸法を行う
筋トレにおいて呼吸は非常に重要です。正しい呼吸は力を発揮しやすくし、血圧の急上昇を防ぐ効果もあります。
- 力を入れる時(体を持ち上げる時): 口から息を吐く
- 力を抜く時(体を下ろす時): 鼻から息を吸う
息を止めて行うと酸欠や血圧上昇のリスクがあるため、常に呼吸を続けるように意識しましょう。
【自宅でできる】「大胸筋」おすすめトレーニングメニュー
ここからは、特別な器具がなくても自宅で実践できるおすすめのトレーニングを紹介します。
1. プッシュアップ(基本の腕立て伏せ)
最もポピュラーですが、奥が深いトレーニングです。「大胸筋」全体に加え、「上腕三頭筋」「三角筋」も同時に鍛えられます。
▼やり方
- 両手を床につき、肩幅より拳一つ分広く手幅をとる。
- 足を伸ばし、つま先と両手の4点で体を支える。
- 頭からカカトまでが一直線になるように姿勢を保つ(スタートポジション)。
- 息を吸いながら、肘を曲げてゆっくり体を下ろす。胸が床につくギリギリまで下げる。
- 息を吐きながら、手のひらで床を押し体を持ち上げる。
★ポイント
- 腰が反ったり、お尻が浮いたりしないように腹筋に力を入れる。
- 肘が開くと肩を痛めるリスクがあります。脇は45度程度に閉じて行いましょう。
2. 膝つきプッシュアップ(初心者・女性向け)
通常のプッシュアップが難しい方は、膝をついた状態から始めましょう。強度は下がりますが、フォームを習得するのに最適です。
▼やり方
- うつ伏せの状態から、膝をつき、両手で上半身を持ち上げる。
- 手幅は肩幅よりやや広めにとる。
- 膝から頭までが一直線になるようにする(お尻を突き出さない)。
- 息を吸いながら、ゆっくりと体を下ろす。
- 息を吐きながら、スタートポジションへ戻す。
★ポイント
- 膝をついても「肩甲骨を寄せて胸を張る」意識は変わりません。
- まずは10回×3セットを目指しましょう。
3. デクラインプッシュアップ(足上げ腕立て伏せ)
足を台や椅子に乗せて行うプッシュアップです。通常のプッシュアップよりも負荷が高く、特に「大胸筋」の上部に刺激が入りやすくなります。
▼やり方
- 椅子やベッドなどの台に両足を乗せる。
- 手幅は肩幅よりやや広くし、体を一直線に保つ。
- 息を吸いながら、ゆっくりと体を下ろす。
- 息を吐きながら、元の位置まで押し戻す。
★ポイント
- 頭に血が上りやすいので、長時間のセットは避けましょう。
- 負荷が高いので、フォームが崩れるようなら通常のプッシュアップに戻してください。
4. ダンベルフロアフライ(厚みを作る)
ダンベル(または水を入れたペットボトル)を使用します。プッシュアップよりも「大胸筋」のストレッチ(伸ばす刺激)を強く感じることができる種目です。
▼やり方
- 床に仰向けになり、両手にダンベルを持つ。
- 膝を立て、肩甲骨を寄せて胸を張る。
- 腕を天井に向かって垂直に伸ばす(スタートポジション)。
- 息を吸いながら、肘を軽く曲げたまま、腕を真横に大きく開いていく。
- 肘が床につくギリギリまで下ろしたら、息を吐きながら、弧を描くように元の位置へ戻す。
★ポイント
- 腕を戻す際、ダンベル同士をカチッと当てず、胸の筋肉が収縮していることを感じるところで止めると効果的です。
- 肩に痛みを感じる場合は、開く角度を浅くしてください。
トレーニング効果を高める!実施頻度と回数の目安
トレーニングの効果を最大化するためには、適切な頻度と回数設定が重要です。
回数とセット数
- 筋肥大(筋肉を大きくしたい): 8〜12回で限界がくる負荷 × 3セット
- 引き締め(シェイプアップ): 15〜20回できる負荷 × 3セット
自宅トレ(自重)で負荷が足りない場合は、動作を「3秒かけて下ろし、1秒で上げる」など、ゆっくり行う(スロー法)ことで負荷を高められます。
頻度と休息
筋肉はトレーニングによって傷つき、修復される過程で成長します(超回復)。毎日行うのではなく、2〜3日に1回(週2〜3回)のペースで行うのが理想的です。
筋肉痛が残っている場合は、無理をせず休息日を設けましょう。痛みがある状態で無理に行うと、ケガのリスクが高まります。
ケガ予防とパフォーマンスアップのためのストレッチ
トレーニング前には、体を温め可動域を広げる「動的ストレッチ」を行いましょう。体が冷えた状態でいきなり負荷をかけると、肩や肘を痛める原因となります。
胸を開く動的ストレッチ
肩甲骨周りをほぐし、「大胸筋」の柔軟性を高めます。
▼やり方
- 立った状態で、手のひらを上に向け、両腕を肩の高さまで上げる。
- 肩甲骨を背骨に寄せるイメージで、腕を後ろに引く(胸が伸びるのを感じる)。
- 反動をつけすぎず、リズミカルに腕を前後に動かす。
- 20回程度行う。
肩甲骨回し
肩関節の動きをスムーズにします。
▼やり方
- 両手の指先をそれぞれの肩に乗せる。
- 肘で大きな円を描くように、前から後ろへ大きく回す。
- 後ろから前へも同様に回す。
- 各10〜15回行う。
※注意
ストレッチ中に痛みや違和感を感じた場合は、直ちに中止し、医療機関の受診を検討してください。無理なストレッチは逆効果になる可能性があります。
まとめ
「大胸筋」のトレーニングは、男性ならたくましい胸板、女性なら美しいバストラインを作るために非常に有効です。
今回の重要ポイント
- フォーム重視: 回数よりも、正しいフォームで「大胸筋」に効かせることが最優先。
- 肩甲骨の意識: 常に肩甲骨を寄せ、胸を張った状態で行う。
- 呼吸: 力を入れる時に吐き、抜く時に吸う。
- 継続と休息: 週2〜3回のペースで継続し、しっかり休ませる。
最初は10回できなくても構いません。正しいフォームで継続すれば、体は必ず変わります。まずは今日から、1日5分のプッシュアップから始めてみませんか?

カラダバンク編集部
カラダバンク編集部にてフィットネスや食事に関する記事を執筆しています。



